人生を変えるような挑戦をしてみたいが、一歩を踏み出すことが出来ない、何から始めたらいいのかわからない、今の生活を失うのが怖い。
こうしたモヤモヤを抱えている人に、マッキンゼーからパンツブランドの社長になったという個性的な経歴を持った著者がアドバイスを与えてくるのが、この本、『人生をはみ出す技術 自分らしく働いて「生き抜く力」を手に入れる』です。
今日は、この本を読んでわかったキャリアの積み方を紹介します。
堅実にはみ出す
「人生をはみ出す技術」というタイトルですが、いきなり起業するようなハイリスクを負う話ではありません。
色々なことに挑戦してスキルを獲得したり、自分の向き不向きを確認しながら、その途中で「これぞ」と思えるキャリアに出会ったら、新しい道に進ことを勧めています。
平凡な人ほど人生をはみ出す必要がある
例えば、大企業に長く勤めていると、自分は成長しているつもりでも実際にはその会社でしか通用しないスキルしか身についていないというこがあります。大企業に入って数年経って、「このままで大丈夫だろうか」と悩み始めるわけです。
更に今は、新しい技術が次々と登場し、私たちの生活をどんどん変えていく時代で、スキルが陳腐化するサイクルが短くなっています。このような状況では、どのスキルを身につけるべきかを個人が考えなければなりません。
無関係な分野で積んだ経験がキャリアを切り開く
身につけるスキルを考える際に、一つの分野に全力で打ち込もうとするのも良いのですが、一つの分野で成功するのは、ほんの一握りの人材です。
複数の分野で経験を積み、その掛け算で勝負した方が、一つの分野を極めようとするよりも成功する確率が高くなると著者は考えています。
長い人生なので、一つの事にこだわるよりも複数の分野で可能性を模索することの方が大切ということは一理ありそうです。
やりたい事を探す
やりたいことがハッキリしていれば、そこから逆算して身につけるスキルを考えれば良いのですが、多くの人は、自分がやりたい事がぼんやりとしか見えない状態だと思います。
その場合は、とりあえず「ぼんやり」のために役立ちそうなスキルを得るための仕事を選んでも良いと著者は言います。スキルを得ると視野が広がってきて、自分のやりたいことが次第にはっきりしてくるのです。
また、本書では「やりたいこと」、「できること」、「求められること」の円を書いて、その三つが重なるところが天職という話が出てくるのですが、これら3つを考えると自分の進べき方向性の見通しが良くなってくるようです。
ご縁も大切にする
やりたい事や、自分の進べき方向性が見えてきたら目標を大まかに決めて進みます。
大まかにというのは、自分が掲げた目標以外にも自分が見たことのない世界があるわけなので、目標に固執しすぎないでご縁も大切にしながらキャリアを選択した方が良いのです。
興味が持てそうなものを見つけたら積極的に首を突っ込んでいく姿勢が大事です。
重要なのは組織の歯車であることをやめること
重要なのはどこにいても組織の歯車であることをやめることです。ただ上司の言う通りに仕事をしてきた人には、新しい仕事を作れません。
今後訪れるであろうAI到来後の社会では、定型化された仕事はコンピュータにまかせ、人間は付加価値のある仕事を担当することになるはずです。
AIの到来で無くなってしまう仕事がある反面、新しく生まれる仕事もあります。企業の中での働き方がどのように変わるのかを予想しながら自分のキャリアについて検討する段階にきているのです。
感想
組織の歯車であることをやめるのが重要と言う意見にはすごく賛成でした。少しずつ色々な事を試して自分が輝ける場所を探そうと言う気になります。
また、頑張ってるけど、なかなか結果が出ないと言う人にとって本書は、いつか点と点がつながって結果が出るという気持ちにさせてくれると思うのでおすすめです。
興味のある方はぜひ読んでみて下さい。